>>3:1 夢破れし 美夜子 3d09:07:56 01回 みんな、みんな集まってる。あんたは行かなかったんだね。[別に訝しむ訳じゃない。そう自然に聞くのだった。でなきゃ、自分もここには来てはいない。] あの猫への恩返しなんだってさ。[そして一拍置けば。] 分かんねぇな。
みんな、みんな集まってる。あんたは行かなかったんだね。[別に訝しむ訳じゃない。そう自然に聞くのだった。でなきゃ、自分もここには来てはいない。] あの猫への恩返しなんだってさ。[そして一拍置けば。] 分かんねぇな。
>>3:3 夢破れし 美夜子 3d09:18:26 02回 [目の前の人物がぺるを知らないのかと思ったのか。ああ、そうかと勝手に納得する。] なぁに。 この墓地にいた猫。1年前に居なくなっちまった猫に世話になった人が、そいつの墓の周りに沢山集まっていた。 ただ、それだけだい。
[目の前の人物がぺるを知らないのかと思ったのか。ああ、そうかと勝手に納得する。] なぁに。 この墓地にいた猫。1年前に居なくなっちまった猫に世話になった人が、そいつの墓の周りに沢山集まっていた。 ただ、それだけだい。
>>3:4 夢破れし 美夜子 3d09:19:40 03回 孝行したき時にぺるはなし、ですか。[嘲笑するかのようにそう言うのだった。目の前の人物は知らないだろうけれども、先程までと態度が全く違いますね。] 猫が、猫の墓なんて建てるかい? きっとそんなの望んでここにいた訳じゃないさ、あいつさ。 墓参りは生きている奴しかできないんだから、生きている奴が折り合い付けるためにやってんのさ。
孝行したき時にぺるはなし、ですか。[嘲笑するかのようにそう言うのだった。目の前の人物は知らないだろうけれども、先程までと態度が全く違いますね。] 猫が、猫の墓なんて建てるかい? きっとそんなの望んでここにいた訳じゃないさ、あいつさ。 墓参りは生きている奴しかできないんだから、生きている奴が折り合い付けるためにやってんのさ。
>>3:5 夢破れし 美夜子 3d09:20:56 04回 [確かに最初は話しかけていたはずなのだけれど、途中からは半ば独り言。だってそうだろう?] いつかは、墓に入ってるそいつの事も。忘れなきゃいけないんだって。
>>3:6 夢破れし 美夜子 3d09:26:17 05回 だから、あそこでみんなとは集まっていられない気がして。猫への恩返しだなんて、盛り上がっているふりができなくて、こっちへ来たのさ。 つまんない事言って悪いね。気にしないでくれよ。[そう言えば、ぼんやりと遠くを眺めた。昔から分からなかったんだ。罰当たりとも言われて。彼岸花を折った時にはあんな事が起こった。軽口を叩いていれば、もう一度何かを起こせる気がして。]
だから、あそこでみんなとは集まっていられない気がして。猫への恩返しだなんて、盛り上がっているふりができなくて、こっちへ来たのさ。 つまんない事言って悪いね。気にしないでくれよ。[そう言えば、ぼんやりと遠くを眺めた。昔から分からなかったんだ。罰当たりとも言われて。彼岸花を折った時にはあんな事が起こった。軽口を叩いていれば、もう一度何かを起こせる気がして。]
>>3:7 夢破れし 美夜子 3d09:31:57 06回 世話になった猫への恩返しだなんて、柄じゃない。 心にもないあたしが一緒に盛り上がっちゃ、いけない。[その場でそっと手を組む。祈りじゃありませんよ?*]
>>3:18 夢破れし 美夜子 3d19:57:17 08回 忘れたいのに、忘れられなかったんだよ。 けれども、本当は忘れたくなかったから忘れなかったのかもな。[ぽつりぽつりと語る美夜子。言葉の端には、どこか寂しさが漂ったでしょう。]
>>3:19 夢破れし 美夜子 3d19:57:24 09回 そんな事を言われたのは久方振りだね。 おかしいね、昔はよく言われたのにさ。 これじゃあまるで。["あたし"のほうが、昔のあたしに似ているみたいだ。との一言を飲み込もうとした。けれども、気付かされた手前。かつて出会ったこの場所で、ぺるに言われた気がしたから。なら、少しは素直になっても罰は当たらないだろう?]
そんな事を言われたのは久方振りだね。 おかしいね、昔はよく言われたのにさ。 これじゃあまるで。["あたし"のほうが、昔のあたしに似ているみたいだ。との一言を飲み込もうとした。けれども、気付かされた手前。かつて出会ったこの場所で、ぺるに言われた気がしたから。なら、少しは素直になっても罰は当たらないだろう?]
>>3:20 夢破れし 美夜子 3d20:06:16 10回 なら、ついでさ。 ただの独り言を横で聞き流しておくれよ。[そして一息つけば、意を決したように言うのだった。] もう、会えなくなった誰かの。そっくりさんが目の前に現れたら。見た目も性格もみーんな同じの偽物が現れたら。その事に、猫一匹しか気が付いていなかったら。そいつは、本人なのかな他人なのかな。[古傷が痛むのはいつもの事。少し休めばすぐ元に戻るのさ。相手は何か返したか、戸惑ったか。どちらにせよ、独り言が終われば返事は背に聞き流し、風のように立ち去っただろう。**]
なら、ついでさ。 ただの独り言を横で聞き流しておくれよ。[そして一息つけば、意を決したように言うのだった。] もう、会えなくなった誰かの。そっくりさんが目の前に現れたら。見た目も性格もみーんな同じの偽物が現れたら。その事に、猫一匹しか気が付いていなかったら。そいつは、本人なのかな他人なのかな。[古傷が痛むのはいつもの事。少し休めばすぐ元に戻るのさ。相手は何か返したか、戸惑ったか。どちらにせよ、独り言が終われば返事は背に聞き流し、風のように立ち去っただろう。**]
>>3:-61 夢破れし 美夜子 3d20:22:52 07回 /*>>-59かなりの国を網羅してると思う。最近は統一しているけれど、以前は国によってIDまちまちだったから自分でも探せない時が多いの。>>-60動物の生態を設定に落とし込むだけで楽しいからね。動物の気持ちで考えてる。
/*>>-59かなりの国を網羅してると思う。最近は統一しているけれど、以前は国によってIDまちまちだったから自分でも探せない時が多いの。>>-60動物の生態を設定に落とし込むだけで楽しいからね。動物の気持ちで考えてる。
>>3:30 夢破れし 美夜子 3d22:48:22 11回 [言葉は返さなかった。それでも、ちゃんと聞こえていましたとも。] ふふ、それなら。 同一個体のあたしは、本物かい?[姿が見えなくなってから。おかしそうに笑うのです。]
>>3:33 夢破れし 美夜子 3d22:53:53 12回 素直ねぇ。それができりゃあ苦労しないっての。 でも、本当はちゃんと自分でも分かってんだ。[今度は歩いて元来た道を帰っていく。心細い道無き道は、いつしかちゃんとした順路へと変わっていた。] そうさ、元のあたしに還ったのさ。 あの時間、確かに。 現れたのは、子供の頃のあたしだったんだから。[頭の中の雲が晴れたように感じた。そうさ、本当の自分を思い出したんだから。]
素直ねぇ。それができりゃあ苦労しないっての。 でも、本当はちゃんと自分でも分かってんだ。[今度は歩いて元来た道を帰っていく。心細い道無き道は、いつしかちゃんとした順路へと変わっていた。] そうさ、元のあたしに還ったのさ。 あの時間、確かに。 現れたのは、子供の頃のあたしだったんだから。[頭の中の雲が晴れたように感じた。そうさ、本当の自分を思い出したんだから。]
>>3:35 夢破れし 美夜子 3d23:01:55 13回 [長い長い醒めない悪夢。それはあの時ではなく、もっとずっと前から始まっていたのかも知れない。] マイナス思考なあたし。敗北感にばかり囚われてたあたし。うらみつらみばかりのあたし。 木の上から男子を馬鹿にしていたあの頃にゃ無かったはずだろう?[ぺるの態度が違っていたのは、本当は喜んでくれていたんじゃないのか。そう思えてならないんだ。いいえ、本当は懐におやつを隠し持っていたのがバレただけかも?それは本猫のみ知る事でしょう。]
[長い長い醒めない悪夢。それはあの時ではなく、もっとずっと前から始まっていたのかも知れない。] マイナス思考なあたし。敗北感にばかり囚われてたあたし。うらみつらみばかりのあたし。 木の上から男子を馬鹿にしていたあの頃にゃ無かったはずだろう?[ぺるの態度が違っていたのは、本当は喜んでくれていたんじゃないのか。そう思えてならないんだ。いいえ、本当は懐におやつを隠し持っていたのがバレただけかも?それは本猫のみ知る事でしょう。]
>>3:36 夢破れし 美夜子 3d23:06:17 14回 [暫くあって、ぺるのお墓の前へと戻って来た。もとい、ぬっと顔を出した。] いやーちっとも思い付かなかったわ-。[なーんて冗談めかしててへへと笑う。] でも、思うんだ。ぺるはもういないから、恩返しできないでしょう。 だから、あたしはそれを他の誰かに返そうと思うんだ。 きっと、ぺるだってそうだったのかもなってさ。[たまには、格好良い事だって言えるのです。] ぺるの恩のある猫ちゃんって何色だったんだろうね? あたし、三毛猫がいい![なんだか楽しい気分になってまいりました。]
[暫くあって、ぺるのお墓の前へと戻って来た。もとい、ぬっと顔を出した。] いやーちっとも思い付かなかったわ-。[なーんて冗談めかしててへへと笑う。] でも、思うんだ。ぺるはもういないから、恩返しできないでしょう。 だから、あたしはそれを他の誰かに返そうと思うんだ。 きっと、ぺるだってそうだったのかもなってさ。[たまには、格好良い事だって言えるのです。] ぺるの恩のある猫ちゃんって何色だったんだろうね? あたし、三毛猫がいい![なんだか楽しい気分になってまいりました。]
>>3:63 夢破れし 美夜子 3d21:17:30 15回 [チャー改めうめちゃん。良い名前じゃないかと目を輝かせて。] なーにを話したんだろうね、猫と猫とで。[それは分からないけれども。きっと、きっと。]
>>3:64 夢破れし 美夜子 3d21:17:37 16回 [いつかは忘れなきゃいけない。その気持ちは変わっていないさ。けれども、知らないやつに教えてあげるのも、良いじゃないか。あたしはそういうの好きだ。] へへっ、完成したら教えておくれよ。 現役時代、自伝を出版した事があるんだ。 だからその時には任せておくんな。
[いつかは忘れなきゃいけない。その気持ちは変わっていないさ。けれども、知らないやつに教えてあげるのも、良いじゃないか。あたしはそういうの好きだ。] へへっ、完成したら教えておくれよ。 現役時代、自伝を出版した事があるんだ。 だからその時には任せておくんな。
>>3:69 夢破れし 美夜子 3d22:09:39 17回 [やがて喧噪を背にこっそりと再び立ち去るでしょう。やっぱりすっぱりとはいかなくて。賑やかだと離れたくなってしまう。それでいて、静かだと寂しくなるのですから、まるで猫みたい。けれども、曖昧で出鱈目で一筋縄じゃいかないのが生きてるって事じゃあないですか。] あたしはやっぱりミックス味が好きなんだ。
[やがて喧噪を背にこっそりと再び立ち去るでしょう。やっぱりすっぱりとはいかなくて。賑やかだと離れたくなってしまう。それでいて、静かだと寂しくなるのですから、まるで猫みたい。けれども、曖昧で出鱈目で一筋縄じゃいかないのが生きてるって事じゃあないですか。] あたしはやっぱりミックス味が好きなんだ。
>>3:70 夢破れし 美夜子 3d22:09:53 18回 [再び、あの小さなお墓の前に来ていた。もう、あの小さなお墓は。本物だと思い込んでいた美夜子のお墓は、必要ないでしょう?だって誰も死んじゃいないのだから。ほんの気まぐれ、ただ1人のおばさんがイメチェンをしてみたに過ぎないのですから。]
[再び、あの小さなお墓の前に来ていた。もう、あの小さなお墓は。本物だと思い込んでいた美夜子のお墓は、必要ないでしょう?だって誰も死んじゃいないのだから。ほんの気まぐれ、ただ1人のおばさんがイメチェンをしてみたに過ぎないのですから。]
>>3:72 夢破れし 美夜子 3d22:10:32 20回 いいのさ。あたしは素直じゃないからね。 あ、でも彼岸花が咲いている場所はこれからも探すよ。だって、綺麗じゃないのさ。"あたし"は、彼岸花が大好きだ。[振り向いてはいけない。そう言われ続けていたその声。] あたしはとうに振り返ってしまったのさ。だから、忘れ物を見つけられたんだ。 桜を折っちゃいけない、夜に足を濡らしちゃいけない、土用に土仕事しちゃいけない、三隣亡に家を建てちゃいけない、一体誰が決めた?[そう言えば、小さな墓を転がすのでした。]
いいのさ。あたしは素直じゃないからね。 あ、でも彼岸花が咲いている場所はこれからも探すよ。だって、綺麗じゃないのさ。"あたし"は、彼岸花が大好きだ。[振り向いてはいけない。そう言われ続けていたその声。] あたしはとうに振り返ってしまったのさ。だから、忘れ物を見つけられたんだ。 桜を折っちゃいけない、夜に足を濡らしちゃいけない、土用に土仕事しちゃいけない、三隣亡に家を建てちゃいけない、一体誰が決めた?[そう言えば、小さな墓を転がすのでした。]
>>3:73 夢破れし 美夜子 3d22:10:51 21回 けれど。[最後に一度だけ振り返って。] あたしがあなたでもあった事に感謝はするよ。でも、恩返しはなしさ。[小さな声は、大きな風にかき消された。いつの間にか、あまりもの遅さにしびれを切らせた娘が迎えに来ていた。頂上からあたしを呼ぶ娘を追って、ゆっくりと石段を登っていく。]
けれど。[最後に一度だけ振り返って。] あたしがあなたでもあった事に感謝はするよ。でも、恩返しはなしさ。[小さな声は、大きな風にかき消された。いつの間にか、あまりもの遅さにしびれを切らせた娘が迎えに来ていた。頂上からあたしを呼ぶ娘を追って、ゆっくりと石段を登っていく。]
>>3:-114 夢破れし 美夜子 3d22:27:33 09回 /*実は元村見つかったhttp://xebec.x0.to/xebec/sow.c...自分の中の悪魔みたいなのが出てくるんだけれど、強制解決したから折り合い付けきれずに悪魔のほうが主人格になったって前回の終わり方だった。けれど美夜子はバッドエンドで終わっちゃいけなかったと思っていたんで。美夜子として生き続けて自分が本当は何者か分からなくなってきた今の美夜子が、美夜子の変化に気が付いた(ように見えた)ぺるにすがる思いで訪れていたってとこからスタートしたんだ。お墓は自分で作った、消えてしまったほうの人格の美夜子の墓だよ。
/*実は元村見つかったhttp://xebec.x0.to/xebec/sow.c...自分の中の悪魔みたいなのが出てくるんだけれど、強制解決したから折り合い付けきれずに悪魔のほうが主人格になったって前回の終わり方だった。けれど美夜子はバッドエンドで終わっちゃいけなかったと思っていたんで。美夜子として生き続けて自分が本当は何者か分からなくなってきた今の美夜子が、美夜子の変化に気が付いた(ように見えた)ぺるにすがる思いで訪れていたってとこからスタートしたんだ。お墓は自分で作った、消えてしまったほうの人格の美夜子の墓だよ。
>>3:-115 夢破れし 美夜子 3d22:29:54 10回 /*見切り発車でラストは決めていなかったんだけれど。でも、元々子供の頃の美夜子って、むしろ今の美夜子に近いようなって思ってきてね。それでこういう方向性にした。最後は元村をなぞる形で書いたんだよ。