>>2:0 夢破れし 美夜子 2d18:03:23 01回 [またもや見掛けた鰤大根。ほうほうで見掛けるものも、ハマチさんが置いていったのだろうかね。] この辺り、これ有名なのかな。 少し行った場所に親戚達が住んでいるんだけれど、いつも作っているんだよね。[あたしはちっとも上手く作れないけれど、とにやりと笑ってみせるのです。やっぱり懐かしさを感じる。あたしの中にいるあいつが知っている匂いなんだから。]
[またもや見掛けた鰤大根。ほうほうで見掛けるものも、ハマチさんが置いていったのだろうかね。] この辺り、これ有名なのかな。 少し行った場所に親戚達が住んでいるんだけれど、いつも作っているんだよね。[あたしはちっとも上手く作れないけれど、とにやりと笑ってみせるのです。やっぱり懐かしさを感じる。あたしの中にいるあいつが知っている匂いなんだから。]
>>2:1 夢破れし 美夜子 2d18:08:58 02回 あたしの名前は美夜子。 不死鳥の美夜子って聞いた事あるかい? これでも昔は、ちょいと名の知れたアスリートだったんだよ。[えへんと胸を張る。けれどもちょっぴり後ろめたい心。そりゃあお前、もう随分昔の話なんだもの。] なーんてね。結局は鳴かず飛ばず仕舞いさ。 けれども、さ。[もう一度ぺるのお墓に微笑む。]
あたしの名前は美夜子。 不死鳥の美夜子って聞いた事あるかい? これでも昔は、ちょいと名の知れたアスリートだったんだよ。[えへんと胸を張る。けれどもちょっぴり後ろめたい心。そりゃあお前、もう随分昔の話なんだもの。] なーんてね。結局は鳴かず飛ばず仕舞いさ。 けれども、さ。[もう一度ぺるのお墓に微笑む。]
>>2:2 夢破れし 美夜子 2d18:12:12 03回 いつだって、あいつが慰めてくれたんだ。 だから何とかやってこれたのかもね。[脳裏に蘇る光景。夢まであと一歩というところで・・・・・・いいや、忘れよう。あいつにそうたしなめられたから。人からは、ほんの数秒懐かしんだようにしか見えなかったんだろうね。]
いつだって、あいつが慰めてくれたんだ。 だから何とかやってこれたのかもね。[脳裏に蘇る光景。夢まであと一歩というところで・・・・・・いいや、忘れよう。あいつにそうたしなめられたから。人からは、ほんの数秒懐かしんだようにしか見えなかったんだろうね。]
>>2:3 夢破れし 美夜子 2d18:20:45 04回 けれども、それだけじゃないんだよ? あたしの身に起こった事に、ただ一匹・・・・・・ううん、なんでもないさ。 なに、あいつには感謝しきれないって話だよ。[最後には苦笑いで誤魔化してみせたりして。言える訳ないよ。あの頃とあたしと、今のあたしが違っているだなんて。荒唐無稽すぎて他人様には。お墓はお墓でも、ここにオカルトは似合わなさすぎる。] お墓を作ったの、ハマチさんだったんだね。 あたしも同じようなもんさ。あの外れのお墓を作ったのは。[それは誰に向けて言った言葉だったか。わざとらしさすら感じる風が髪を靡かせるのでした。]
けれども、それだけじゃないんだよ? あたしの身に起こった事に、ただ一匹・・・・・・ううん、なんでもないさ。 なに、あいつには感謝しきれないって話だよ。[最後には苦笑いで誤魔化してみせたりして。言える訳ないよ。あの頃とあたしと、今のあたしが違っているだなんて。荒唐無稽すぎて他人様には。お墓はお墓でも、ここにオカルトは似合わなさすぎる。] お墓を作ったの、ハマチさんだったんだね。 あたしも同じようなもんさ。あの外れのお墓を作ったのは。[それは誰に向けて言った言葉だったか。わざとらしさすら感じる風が髪を靡かせるのでした。]
>>2:11 夢破れし 美夜子 2d21:56:02 06回 みんなかぁ。 泣かせる話じゃないのさ。それだけ多くの人を結びつけたんだよ、きっと。[おかしそうに笑うのです。そしてふと思い立ったように。] あいつ、何者だったんだろうね。[ほんと、ただの猫とは思えなくて。**]
みんなかぁ。 泣かせる話じゃないのさ。それだけ多くの人を結びつけたんだよ、きっと。[おかしそうに笑うのです。そしてふと思い立ったように。] あいつ、何者だったんだろうね。[ほんと、ただの猫とは思えなくて。**]
>>2:57 夢破れし 美夜子 2d00:15:28 07回 陸上のちゅーきょりらんなーってのだったよ。 あ、ああ。あの頃はね。[輝いていた、の言葉になぜか一瞬同意を躊躇うのだった。不死鳥だなんて綺麗なものじゃないもの。とっくに燃え尽きているのに慣性で動いているだけの、ゾンビですから。]
陸上のちゅーきょりらんなーってのだったよ。 あ、ああ。あの頃はね。[輝いていた、の言葉になぜか一瞬同意を躊躇うのだった。不死鳥だなんて綺麗なものじゃないもの。とっくに燃え尽きているのに慣性で動いているだけの、ゾンビですから。]
>>2:58 夢破れし 美夜子 2d00:15:53 08回 何、そんな事はどうでもいいさ。[一つかぶりを振れば。] 本当に気ままでさ。 人が泣いてりゃすっと寄ってきて、元気になった時に気が付きゃいなくなってやんの。[それが猫なのです。**]
>>2:74 夢破れし 美夜子 2d20:41:05 09回 猫の恩返しならぬ猫に恩返し?[なーんて冗談めかして言ってみたり。こういう話は大好きだ。] 猫、喋んないからね。ほんとは何に喜ぶのかな。 猫の気分になって考えてみるか。[悪戯っぽい笑顔を浮かべれば、そっと脇の隙間道へと滑り込んで。すっとその場から姿を消すのでした。]
猫の恩返しならぬ猫に恩返し?[なーんて冗談めかして言ってみたり。こういう話は大好きだ。] 猫、喋んないからね。ほんとは何に喜ぶのかな。 猫の気分になって考えてみるか。[悪戯っぽい笑顔を浮かべれば、そっと脇の隙間道へと滑り込んで。すっとその場から姿を消すのでした。]
>>2:81 夢破れし 美夜子 2d22:46:24 10回 [ここは広い墓地。中にはさほど整備されていない区画もあって。そんな場所をずんずん進んでいく。墓の置かれていない石台をまたぎ、ここには珍しい卒塔婆が倒れ込んでしまっているのを掻き分けた。気が付けば走り出している。何かに取り憑かれたかのように、二度とは戻らないあの時間を取り戻そうとするように。いくら進んだでしょう。ふと我に返る時がやって来る。]
[ここは広い墓地。中にはさほど整備されていない区画もあって。そんな場所をずんずん進んでいく。墓の置かれていない石台をまたぎ、ここには珍しい卒塔婆が倒れ込んでしまっているのを掻き分けた。気が付けば走り出している。何かに取り憑かれたかのように、二度とは戻らないあの時間を取り戻そうとするように。いくら進んだでしょう。ふと我に返る時がやって来る。]
>>2:82 夢破れし 美夜子 2d22:52:40 11回 こうしていると、子供の頃を思い出すね。[そう呟けば、またはっとする。] あたしって、何者なんだろ。[美夜子を演じきれないのに、ずっと紛れ込んでいた。かといって、本物の怪異ともなれなかった。周りにはいつもと同じ時間が流れていて、誰もあたしには気が付かない。] 中途半端だねぇ。いつだって勝ちきれなかった、あたしにはお似合いさ。 結構な事じゃないのさ。あたしはソフトクリームならミックス味が好きだし、だから中距離なんて選んだんだ。[自嘲的にそう納得させようとした。けれども、本当は分かっていたのです。]
こうしていると、子供の頃を思い出すね。[そう呟けば、またはっとする。] あたしって、何者なんだろ。[美夜子を演じきれないのに、ずっと紛れ込んでいた。かといって、本物の怪異ともなれなかった。周りにはいつもと同じ時間が流れていて、誰もあたしには気が付かない。] 中途半端だねぇ。いつだって勝ちきれなかった、あたしにはお似合いさ。 結構な事じゃないのさ。あたしはソフトクリームならミックス味が好きだし、だから中距離なんて選んだんだ。[自嘲的にそう納得させようとした。けれども、本当は分かっていたのです。]
>>2:83 夢破れし 美夜子 2d22:56:42 12回 あいつの姿を、思い出の場所を探していたのは。 失った時間を取り戻したかったんだって。 まだ、ちっとも折り合い付けられていなかったんだって。 へへっ、こりゃああいつも呆れるね。[ついにはその場へ立ち止まる。いざ立ち止まってみると、これまで見えなかったものが見えてくる。こうしてみれば、猫じゃらしって墓場に多い。] 案外、猫が寄りつくのはこういうのが理由なのかも知れないな。[猫じゃらしをそっとつついてみれば、猫の毛並みと似た感触を味わえる。]
あいつの姿を、思い出の場所を探していたのは。 失った時間を取り戻したかったんだって。 まだ、ちっとも折り合い付けられていなかったんだって。 へへっ、こりゃああいつも呆れるね。[ついにはその場へ立ち止まる。いざ立ち止まってみると、これまで見えなかったものが見えてくる。こうしてみれば、猫じゃらしって墓場に多い。] 案外、猫が寄りつくのはこういうのが理由なのかも知れないな。[猫じゃらしをそっとつついてみれば、猫の毛並みと似た感触を味わえる。]
>>2:84 夢破れし 美夜子 2d23:02:28 13回 そういや、あいつと初めて出会ったのは。 この先のベンチだったっけ。[暫く走っていたからか、腰がピリリと痛んだ。もう二度とは治す事のできない、この痛み。そこからはゆっくりと歩を進めた。そろそろ限界。どこか休める場所を。] 隣いいかい?[ベンチに辿り着けば、雨も降っていないのにフードを被った人がいて少し戸惑ったけれども。背に腹は代えられぬと、あまり広くもないベンチに相席するのでした。*]
そういや、あいつと初めて出会ったのは。 この先のベンチだったっけ。[暫く走っていたからか、腰がピリリと痛んだ。もう二度とは治す事のできない、この痛み。そこからはゆっくりと歩を進めた。そろそろ限界。どこか休める場所を。] 隣いいかい?[ベンチに辿り着けば、雨も降っていないのにフードを被った人がいて少し戸惑ったけれども。背に腹は代えられぬと、あまり広くもないベンチに相席するのでした。*]
>>2:93 夢破れし 美夜子 2d23:29:23 14回 恩にきるよ。[言うが早いか座ろうとするが、ほんの数メートルが遠くに見える。どうやらランニングハイになっていたらしい。古傷の悪化にちっとも気が付かなかった。大丈夫さ、きっと暫く休めば良くなる。ゆらゆらと蹌踉めきながらベンチに近付けば。最後には座りきれずにその場へと崩れ落ち、一度空を掻いた左手でベンチを揺らした。]
恩にきるよ。[言うが早いか座ろうとするが、ほんの数メートルが遠くに見える。どうやらランニングハイになっていたらしい。古傷の悪化にちっとも気が付かなかった。大丈夫さ、きっと暫く休めば良くなる。ゆらゆらと蹌踉めきながらベンチに近付けば。最後には座りきれずにその場へと崩れ落ち、一度空を掻いた左手でベンチを揺らした。]
>>2:117 夢破れし 美夜子 2d08:50:30 15回 あいててて、そう言うなよ。[ありがたく手につかまれば、何とか腰掛ける様子。自分でも年齢を感じずには居られなかった。けれども。] ふふっおっと失礼。何、ぶっきらぼうな奴だと思ってね。 いや、助かったさ。[不躾な物言い。すぐに猫を被るのを忘れて、それだけが子供の頃と変わらないんだ。] あんた、さっきも見掛けたろう?
あいててて、そう言うなよ。[ありがたく手につかまれば、何とか腰掛ける様子。自分でも年齢を感じずには居られなかった。けれども。] ふふっおっと失礼。何、ぶっきらぼうな奴だと思ってね。 いや、助かったさ。[不躾な物言い。すぐに猫を被るのを忘れて、それだけが子供の頃と変わらないんだ。] あんた、さっきも見掛けたろう?