瓜1932 【誰歓RP村】猫の墓守が眠る日【3dエピ】 (10/17 00:00 に更新) rss
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[未だ新しめの墓には、小ぶりの花が供えられている。
形ばかりのたどたどしい黙祷を捧げ終えると、
幾分か固い表情で顔を上げた]
…………
[そこには、姉が眠っているのだった。
両親に愛されながら、病で若くして亡くなった気の毒な、
フィアのたった一人の姉だった]
[姉が亡くなった時の両親はそれは酷く嘆き悲しんでいて、
その時のフィアは、それをどこか遠いような気持ちで
眺めていたのを、覚えている。
亡くなった姉の顔は、どこか安らいだ表情にも見えていた。
けれど今も両親は姉が亡くなったことを嘆いているようで、
姉の存在は、ずっと、両親を縛っているようにも見えて、
フィアはそれを、やはり、ただ見ているしかないのだろうと、
諦めているのだった]
あっ……
[―つ先の墓石の並びを、猫が歩いている>>5
その姿にあの墓守猫を想い、
――その猫も一年前に眠りについたのであり、
まったくの別猫である事を思い返すと、
フィアは少しばかり寂しくなった**]
………、にゃぁ。
[猫が、きれいな瞳でこちらを見上げて鳴いたのに、
フィアは、ちょっと驚いた。
この猫もどうしてか、墓守猫のように、
フィアの寂しさに寄り添ってくれたように思えるのだ。
大丈夫、と言うように、鳴き真似をしたあと]
猫さん、こんにちわ。
心配してくれるの?ありがとう。
[それは気のせいかもしれなかったけれど。
言葉は通じないだろうけれど。
フィアは猫に向かって微笑みかけた**]
[猫が近寄ってきて、すりすりと頭をすり付けてきたのに、
フィアは目を丸くした。とても人に慣れている事にも驚いたけれど、……墓守猫はまたここにいるのだ、と思ったから。]
猫さん、ありがとう
[フィアは、にこにこしながらしゃがみ込んで、
猫の頭を少しだけ、撫でてみた。
猫は、その温もりを分けてくれるようで、
その間、猫の体猫の体温を感じていたけれど。猫は、しばらくすると、ふっとどこかに歩いていくのだった。
その尻尾を見送ると、フィアは墓に向き直るけれど、
さっきよりもだいぶ、心が軽いのを感じていた**]
[2年程前に姉が亡くなってからというもの、
フィアの家の中はずっと悲しみに包まれたままだった。
けれど、両親とは悲しみを分かち合う事はできなかった。
フィアと姉はよく似ていたから、父も母も、フィアを見ると、
悲しそうな顔を見せる事があって、それが一層辛かったのだ。
家を居場所にしにくくなったフィアは、
姉の墓をよく訪れるようになった。
フィア自身の悲しみを紛らわすために。
そんな時、ぺる、と呼ばれて愛されていた猫は、
いつの間にか近寄ってきて、寄り添ってくれていた。
あの灰色の猫がしてくれたように]
[その猫も死んでしまってからというもの、
フィアは悲しくて墓を訪れる事もしなくなって、
自分の部屋に篭りがちになった。
けれど、自分の中で何かを変えるきっかけが欲しくて、
フィアは再び墓を訪れたのだ。今日という日に。]
私。自由になりたかったんだと思う。
お姉ちゃんの代わりでも、悲しみに沈んでる自分でもなくて、
もっと軽く生きられる自分になりたかった。
……でもさっき、別の灰色の猫さんを
墓守猫さんだと思ったの、悪い事しちゃったかな。
優しくなぐさめてくれたのは、
ぺるじゃなくて、灰色の猫さんなのに。
[“代わり”にはなりたくない自分が、
知らず知らずのうちに代わりを求めてしまったのは、
何だか悪い気がしたのだった]
……あれ、また別の猫さんだ
[茶色い猫が視界の端に映って、目で追いかけていくと、
お姉さんがぴょいっと抱えたのが見えて]
いいなあ。猫さん飼いたいな。
[フィアはそのお姉さんが茶色い猫の飼い主なのだと
勘違いしたまま、墓に向きなおるとぼやいた。
家族に動物アレルギーが居ると、
家で猫を飼う事は出来ないから。
墓は静かにそこにあって、フィアの話を黙って聞いてくれる。
話をすれば、自分の中の気持ちが、
何でも整理できていくような気がしているのだった。
墓に備えた白い花が、風に揺れていた**]
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