よしよし。あ、そうだ。あとでおやつもあげないとな~
[遅くなってしまった分奮発しようと思いつつ、
ぺるのお墓の前へと歩んでいくがうめちゃんはついてこない。
先に来た分何やらあったらしい。
芝生の上ではなく広々としたピクニックのためのマットの片隅でのんびりしている。
見送っているんだかそうじゃないんだか。
ぺるのお墓の前にはうめちゃんとひとまず別れたリリーもいた。
しゃがみ込んで、何気なくリリーの視線の先を追った。
そこには墓石が静かにたたずむだけだ。
もう少し上を向けば青空も見える。
シオンは秋の晴れ渡る空が好きだ。
子供の頃数年暮らしていた田舎町の、たわわに実った稲穂と空のコントラストが原風景として焼き付いている。
だけど今思い出すのは別の空だった]