──少々俺は、愛し方を間違えたようだ。
──お前以外は。
[レディの文化に、穏やかな時を与える埋葬という文化は無きに等しかった。
誰かを愛おしむ文化も、その文化圏ではポピュラーではなく、暴虐の限りを尽くす。
──星々を貪り尽くす宇宙の侵略者。それが歌姫の素性であり母星の環境。
所謂、レディはここの住人では無い宇宙人だった。
そんな凶星は、次元を越え時間を遡り、凶星の母星がうまれた原初の時へと至り。
凶星と原初の母星は衝突し合い全ての終わりを告げた。
他ならぬ、闇の皇帝と呼ばれた“闇”によって、終わりを齎されたのだ。]
[レディは、その皇帝に寵愛され、その膝元で最後の刻を見届けていた暴虐の歌姫だった。]
[闇の皇帝とは、永き倦怠と停滞の末に、自己を鎖し、新たなる自分を軆ど(ツク)り、眠り、そして新たなものを知り、光に触れ、愛に触れた、愛しき存在。
寵愛は戯れであり、歌姫が捧げるのは子守歌のようなものだったけれども。]